ここでは食事と健康に関して、とても大事な話をしたいと思います。
健康なくして、人生は謳歌できません。
そして健康を支えてくれるとても大事なことは
「医療」ではありません。「食事」です。

なぜ私たちは「食事と健康」を見過ごすようになったのか?

「食もて癒せぬ病は、医もまた癒せず」
——これは古代ギリシャの医聖ヒポクラテスの言葉です。
人類の長い歴史の中で、どの民族でも病気を予防・治療する手段として「食物」は重視されてきました。薬草、発酵食品、季節の野菜——それぞれの地域で育まれた伝統医学には、食が欠かせませんでした。
それにもかかわらず、現代の先進国では“食事の力”が軽視されつつあります。
高度に発達した医療技術や手厚い社会保障に支えられ、私たちは「人間としての基礎的で、根源的で、最も大事なこと」を忘れがちです。
そして病気になって初めて、慌てて病院に駆け込み、薬や手術に頼る。
でも実際には、治らない病気も多いのです。
だからこそ、医師として現場に立つ私が強く思うのは——「病気になる前に、食事を見直す」ことの大切さ。
では、なぜこれほどまでに「食事と健康の関係」が蔑ろにされるようになったのでしょうか?

医学教育とエビデンスの限界

栄養学が軽視される医療の現場
医学部では意外にも「食事」や「栄養」について学ぶ機会は非常に少なく、医師になってからも体系的に触れることはほとんどありません。その背景には、「エビデンス第一主義」があります。
現代医学では、最も信頼される科学的根拠はランダム化比較試験(RCT)やダブルブラインド試験といった、非常に厳密な検証を経たもの。しかし、食事の研究はその多くが観察研究。つまり、「特定の食習慣が健康にどう影響するか」という統計的な傾向に過ぎず、因果関係を証明しづらいのです。

食品は「儲からない」から研究されない?
たとえば、がん予防が期待されるブロッコリーやラズベリーなどに含まれる**ファイトケミカル(植物性化学物質)**は、科学的な効果が次々と報告されています。けれども、これを人間で大規模に検証するには莫大な費用がかかります。
抗がん剤なら薬価で回収できますが、ブロッコリーでは回収できません。
つまり、「利益にならないから研究されない」。
これが医療界で“食事”が軽視されてきた、もう一つの現実です。
社会構造と情報操作という「見えない壁」

産業の都合が“真実”を隠す
食と健康の真実は、単なる科学の話ではありません。社会全体の産業構造とも深く関係しています。
たとえば、戦後日本では牛肉や乳製品の消費が急増し、それに伴って心血管疾患の発症率も上昇しました。しかし、この事実を大々的に主張すると、畜産業界からの圧力が生じる恐れがあります。
同様に、製薬業界・食品業界も莫大な利権を抱えており、「不都合なエビデンス」は闇に葬られることも少なくありません。
この不都合な話をうやむやにするにとっておきの言葉があります。それが・・・
「専門家の意見は一致しない」という魔法の言葉
本当は明確な傾向があるのに、「専門家の間でも意見が分かれています」と言えば議論は打ち切られる。
そうして私たちは、あたかも“真実はまだわからない”かのように思い込まされるのです。

個人のリテラシーが命を救う時代

国家や医師に頼りすぎる危うさ
もちろん、行政も医師も健康を守るために存在しています。ですが、彼らが全てを代わりに考えてくれるわけではありません。ましてや、あなたの体質や生活スタイルに合わせて、日々の食事内容まで指導してくれることはありません。
健康は、自分自身で守るべき時代なのです。
変われる人」が未来を変える
人は簡単には変われません。けれども、変わることができた人だけが、不健康な習慣から抜け出すことができる。
「どうせ食事なんて意味ない」と諦めるのか。
「まずは食事から」と意識を変えるのか。
その選択が、数年後の健康を大きく左右することは、医師として断言できます。

よくある質問(FAQ)

- Q医師が食事の話をしないのはなぜ?
- A
科学的根拠としての信頼性が低いと見なされているため、医学教育での優先度が低くなっているのが現実です。
- Q食事で本当に病気は予防できますか?
- A
完全な予防は難しくても、生活習慣病やがんのリスクを下げることは十分に可能です。
- Qファイトケミカルとは何ですか?
- A
野菜や果物に含まれる植物性の有効成分で、抗酸化作用や抗炎症作用が注目されています。
- Q国のガイドラインを守っていれば安心?
- A
一般的な指針としては有用ですが、個々の生活環境や体質に合わせた調整が必要です。
- Q健康的な食生活はどう始めればいい?
- A
完璧を目指さず、「野菜を一品増やす」「加工食品を減らす」など、小さな習慣から始めましょう。
まとめ:あなたは、今日の食事をどう選びますか?
「食事と健康」の関係は、医学的にも歴史的にも極めて重要なテーマです。
にもかかわらず、私たちは社会構造や情報の偏りによって、その価値を忘れがちです。
医師として現場に立つ中で強く感じるのは、本当に健康を守れるのは、日々の小さな選択の積み重ねだということ。
あなたは、今日の食事を「なんとなく」で選びますか?
それとも「未来のために」選びますか?
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