週末美容外科医です。

医療脱毛の機械はざっくり2種類あります。
クリニック選びの要点をお伝えした記事では、「機器による違いはそこまで大きくない」と言いましたが、とはいえ、それでも「どんな機械で照射されるのか?」は気になるもの。
実は、クリニックで使われている脱毛機器には大きく2タイプあり、使われている技術やレーザーの波長によって、痛みや効果、相性の良い肌質・毛質が異なるんです。
結論:痛みを抑えたいなら「メディオスター」、効果重視なら「ジェントル」

今回は、クリニックでよく使われている**ドイツ製「メディオスター」とアメリカ製「ジェントルシリーズ(キャンデラ社)」**の特徴を比較しながら、あなたに合った脱毛機器選びのヒントをお届けします。
熱破壊式と蓄熱式の意味
熱破壊式とは???
- 仕組み:毛根(毛乳頭や毛母細胞)に向けて、一瞬で強い熱エネルギーを与えて破壊します。
- 特徴:効果が出やすく、少ない回数で脱毛完了しやすい。
- デメリット:痛みが強めで、肌への負担や赤みが出やすいことがある。
蓄熱式
- 仕組み:低出力のレーザーを繰り返し照射してじわじわと毛包全体を温め、発毛因子にダメージを与えます。
- 特徴:痛みが少なく、肌が弱い人や色黒の人にも適しやすい。産毛や細い毛にも効果が期待できる。
- デメリット:効果の実感がゆっくりで、回数が必要になることが多い。

メディオスター:痛みが少なく幅広い肌質に対応

特徴
- 熱破壊式と蓄熱式の両モード搭載
- 主な波長:808nm・940nm(ダイオードレーザー)
- 日本の肌質・毛質に合わせた設計
- 痛みが比較的少ない
科学的補足
- 808nmのダイオードレーザーは、深部まで到達しやすく、色黒肌や敏感肌にも適応しやすいとされています(Skinney Medspa, Wikipedia)。
- 熱破壊式としてのダイオードレーザー(810nm)は、アレキサンドライト(755nm)と比較して、脱毛効果に統計的な有意差がなく、12ヶ月後の毛量減少率はダイオード84%、アレキサンドライト85%という研究報告もあります(ResearchGate, JAMA Dermatology)。👉つまり効果には有意差はないということ。
- また、IPLと比較した際にも、痛み・炎症・副作用のリスクが有意に低いという報告があります(BVSALUD)。
- ※IPL(インテンス・パルス・ライト)とは、レーザーとは異なる広帯域のフラッシュ光を使った光脱毛方式で、主にエステサロンや家庭用機器で使用されています。エネルギーの分散により脱毛効果は医療レーザーより穏やかですが、痛みが少なく、美肌効果(シミ・くすみの軽減)も期待されるという副次的なメリットがあります。
こんな人におすすめ
- 痛みに弱い
- 敏感肌や色黒肌
- 広範囲の照射をスムーズにしたい人
- 背中やうなじなど硬毛化リスクが気になる人

ジェントルシリーズ:効果重視の高出力レーザー

特徴
- 熱破壊式専用(高フルエンス・強力ショット)
- 主な波長:755nm(アレキサンドライト)、1064nm(Nd:YAG)
- 効果の再現性が高く、毛根をしっかり破壊
- クーリング機能(DCD)で肌を守る
科学的補足
- 755nmのアレキサンドライトレーザーは、メラニンへの吸収が強く、色白〜普通肌の濃い毛に特に高い効果を発揮します。
- 一方で、色素沈着が多い肌には火傷リスクがあり、色黒肌には不適切とされる場合もあります(RealSelf, Wikipedia)。
- 高出力照射ゆえに痛みが強くなる傾向があり、副作用のリスクもわずかに高いとされています(ResearchGate, JAMA Dermatology)。
こんな人におすすめ
- 確実な脱毛効果を求める
- 剛毛・濃い毛をしっかり減らしたい
- 痛みにある程度耐えられる

【比較表】メディオスター vs ジェントル
| 特徴 | メディオスター | ジェントルシリーズ | 
|---|---|---|
| レーザーの種類 | ダイオード(808・940nm) | アレキサンドライト(755nm)、YAG(1064nm) | 
| 照射方式 | 熱破壊式・蓄熱式の切替可 | 熱破壊式のみ | 
| 痛み | 少なめ | 強め | 
| 効果 | 徐々に実感(効果はアレキと同等との報告あり) | 即効性が高い(濃い毛に強い) | 
| 肌質対応 | 幅広い(敏感肌・色黒肌も◎) | 色白・普通肌向き(色黒肌は非推奨) | 
| 硬毛化リスク | 比較的低い | 場合によってあり | 
※硬毛化とは、
脱毛後に一部の部位で毛がかえって濃く・太くなってしまう現象のこと。特に背中やうなじなど、脂肪が厚く皮膚が薄い部位に起こりやすいとされていますが、正確な原因は未解明です。
機器だけで選ばないで。照射スキルやカウンセリングも大事
脱毛機器の違いを知るのは大切ですが、実際の効果には「照射するスタッフの技術」や「肌や毛質に合った出力設定」も多少なりとも影響するとは言われます。ただ、慣れたクリニック同士の比較ではここに差が出ることは少ないでしょう。
強いて言えば、「蓄熱式」の方が少しコツがいると言います。

まとめ:あなたにぴったりの機器は?
- 痛みが苦手・安心して受けたい人 → メディオスター
- 効果重視・剛毛しっかり減らしたい人 → ジェントル
クリニック選びの際は、カウンセリングで「どの機器を導入しているか」や「選べるかどうか」をぜひチェックしてみてくださいね。
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よくある質問(FAQ)
- Qジェントルシリーズとジェントルレーズは同じですか?
- Aジェントルシリーズはキャンデラ社が展開する医療用脱毛機器の総称で、「ジェントルレーズ」や「ジェントルマックスプロ」などが含まれます。使用されるレーザーの種類や機能がモデルによって異なります。 
- Q硬毛化が心配です。避ける方法はありますか?
- A硬毛化のメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、背中やうなじなど脂肪が多く皮膚の薄い部位で起こりやすいとされています。硬毛化しにくいとされる蓄熱式のレーザーや、照射モードの選択、施術間隔の見直しが対策の一つになります。 
- Q色黒肌でも安全に脱毛できますか?
- A色黒肌にはダイオードレーザー(メディオスター)やYAGレーザーが適しているとされています。アレキサンドライトレーザーはメラニンに反応しやすいため、色素沈着や火傷リスクが高くなる可能性があります。 
- Qどちらの機器も選べるクリニックはありますか?
- A一部の医療脱毛クリニックでは複数の機器を導入しており、カウンセリング時に肌質・毛質に応じて機器を選択できる場合があります。機器名の明記があるクリニックや、選べるプランがあるか確認してみましょう。 
 
  
  
  
   
    

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