この記事では、あえて「早期治療を勧める」立場に立って書きます。
薄毛が気になり始めたとき、多くの人がこう思います。
「まだ大丈夫かな」「もう少し様子を見よう」「治療って大げさかな」
その気持ちはよくわかります。でも、形成外科医としてはっきり言わせてください。
その「様子見」が、いちばんもったいないです。
✍️ この記事を書いた人
Dr.オーラ|形成外科医
大学病院で形成外科・美容外科医として勤務。
忙しい外来ではなかなか細かく説明しきれないこともあると感じています。そんな外来診療で話そびれた、聞きそびれたプラスアルファを中心に発信しています。より良い日常のために少しでも役に立てば幸いです。
毛包は、一度死んだら戻らない
AGAの本質は「毛包の縮小・消失」です。
頭皮の中には毛を生やす工場(毛包)があり、AGAが進行するとこの工場が少しずつ小さくなっていきます。そして、ある段階を超えると不可逆的に機能しなくなります。どんな治療をしても生えてこなくなる、ということです。
AGAがなぜこのような経過をたどるのか、原因となるDHTや遺伝・頭皮炎症の仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎ AGAはなぜ起きるのか|原因をDHT・遺伝・頭皮炎症から形成外科医が解説

AGAはどうして起きるのか。遺伝、炎症、こちらで詳しく解説しています。
現在の治療薬(フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルなど)は、この縮小のプロセスを止める・遅らせることが主な作用です。すでに失われた毛包を復活させる力は限定的です。
だから、早ければ早いほど守れる毛包が多い。これは医学的に明確な事実です。
「まだ早い」は、たいていの場合、遅い
自覚症状というのは遅れてやってきます。
「なんか薄くなってきた気がする」と感じた時点で、AGAはすでに数年単位で進行していることが多い。鏡で気になる=毛包レベルではかなり進んでいる、と考えた方が現実に近いです。
ヘミン分類で言えば、多くの人が「気になり始めた」段階でStage IIからIIIの間にいます。ここはまだ治療が十分に有効な段階ですが、放置すればStage IVへと進みます。そこからの回復は格段に難しくなる。
「まだ早い」と思っているうちが、治療の黄金期です。
治療薬は何を選べばいいのか
フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルには、それぞれ効果の範囲・副作用・向き不向きの違いがあります。「とりあえず何か始めたい」という段階では、まずこの3つの違いを知っておくと選択肢が絞りやすくなります。
▶︎ AGA治療薬の選び方|フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルを形成外科医が比較解説

AGA治療薬のそれぞれの特徴を解説。どれを選べば良いかの考えの助け舟を出しています。
私自身は外用ミノキシジル(リアップX5)を4ヶ月間自分で使い、その変化を記録しています。医師目線での正直なレポートはこちらです。
▶︎ 薄毛は早く始めるほど、シンプルな治療で済む|形成外科医がリアップ5%を4ヶ月使った話

早く治療開始した方が良い理由を僕自身の経験も含めて記事にしています。
治療のハードルは、思っているより低い
「クリニックに行くのが面倒」「費用が高そう」「副作用が怖い」
これらは10年前の話に近い印象です。
今はオンラインAGAクリニックが普及し、スマホで診察・薬が自宅に届く時代です。費用も月数千円から始められるプランが増えています。オンライン診療が標準的な選択肢として合理的な理由は、こちらで詳しく解説しています。
▶︎AGA治療をオンライン診療で始めることが合理的な理由|形成外科医が標準治療の考え方を解説

AGA治療薬はオンライン診療を利用することでずっとハードルが下がり継続しやすくなります。
副作用については、フィナステリド・デュタステリドの性機能への影響がよく話題になりますが、実際の発現率は数%程度で、中止により多くの場合回復します。怖がること自体は正しい姿勢です。ただ、怖がったまま止まり続けることのコストも、同じくらい考えてほしいと思います。
薬の前に、まず整えておきたいこと
治療を始める前に生活習慣を一度見直しておくと、薬の効果を最大限に引き出せます。睡眠・食事・運動という基本的なチェックリストをまとめた記事がありますので、あわせて読んでみてください。
▶︎ 薄毛が気になり始めたら、まず薬より先にやること|形成外科医が教える生活改善の話

まずは食事、睡眠。基本的なことを見直すことがどれほど大事なことかを言及した記事です。
5年後の自分に、何を渡したいか
AGA治療は「生えてくる」ものではなく、「今ある髪を守る」ものです。
だとすれば、5年後に「あの時始めておいてよかった」と思うか、「あの時始めていれば」と思うか——選べるのは今だけです。
迷っているということは、気になっているということ。気になっているということは、もう始め時です。
Dr. オーラより
私はこの記事で、意図的に「勧める側」に立って書きました。もちろん治療にはリスクもあり、全員に向いているわけではありません。でも、迷っている20〜30代の方には、誰かに「大丈夫、やってみていいよ」と言ってもらえることが必要な気がして、この記事を書きました。気になったら、まず一度相談してみてください。

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