はじめに、僕が気づいたのは、患者さんが直面する「塗り直せない」現実です。
私のクリニックでは、夏の時期にもIPLやシミ取りレーザーの治療をご希望される方が一定数いらっしゃいます。
こうした光治療の前後は、通常よりも肌が紫外線の影響を受けやすい状態になります。そのため私は毎回、しっかりとした日焼け止めの使用をお伝えしています。
ところが、患者さんから返ってくる言葉は決まってこうです。
「日焼け止めは塗っているんですが、外仕事なので塗り直しができなくて…」 「海に行く必要があるので、汗で流れてしまうのが心配で」
こうした方に対して、私がここ数年で補助的な選択肢としてお伝えしているのが、**飲む日焼け止め(内服UVケアサプリ)**です。
この記事では、形成外科医・美容医療医の立場から、飲む日焼け止めの正確な位置づけと、現在国内で入手できる主要3製品の特徴・違いをわかりやすく解説します。
✍️ この記事を書いた人
Dr.オーラ
形成外科専門医(日本形成外科学会)|臨床経験15年以上
大学病院で形成外科・美容外科医として勤務。忙しい外来では話しきれないプラスアルファを、科学的根拠にもとづいて発信しています。
※本記事には、アフィリエイト広告・PR案件が含まれています。掲載商品・クリニックの選定にあたっては、成分の科学的妥当性や臨床的な根拠を重視しており、広告収益が内容の評価に影響することはありません。
飲む日焼け止めとは何か?まず正確に知っておきたいこと
「日焼けを完全に防ぐ」わけではない
先に正直に申し上げます。
飲む日焼け止めは、その名称のイメージほど強力なものではありません。塗る日焼け止めのように紫外線を物理的・化学的にブロックするのではなく、紫外線を浴びたあとに体内で起こる酸化反応・炎症反応を抑えるというアプローチです。
これはサプリメントとして販売されており、日本の薬機法上、「日焼けを防ぐ」という医薬品的な効能効果を表示することはできません。
ではなぜ使う価値があるのか
作用機序として合理性があるからです。
紫外線を浴びると皮膚の中でフリーラジカル(活性酸素)が大量に発生し、これがメラニン産生・DNA損傷・炎症・コラーゲン破壊(光老化)の引き金になります。飲む日焼け止めの主成分はこのフリーラジカルを消去する抗酸化物質であり、紫外線ダメージの連鎖を上流で断ち切る役割が期待できます。
臨床エビデンスとしては主成分の「ファーンブロック(Polypodium leucotomos抽出物)」に関する研究が多く、ハーバード大学をはじめとした複数の機関で光防御効果・免疫保護効果が報告されています。
私が患者さんに伝えていること

「飲む日焼け止め」は一般的な呼び方です。実際には、塗る日焼け止めの代わりではなく、紫外線対策を補助するサプリメントとして考えましょう。
特に以下の方には提案を検討します。
主要3製品を比較:何が違うのか
現在、日本で入手しやすい飲む日焼け止めのなかから、信頼性・入手のしやすさ・成分の観点で代表的な3製品を選びました。
| ヘリオケア ウルトラD | ロート ヘリオホワイト | ユーブロック(サンソリット) | |
|---|---|---|---|
| メーカー | Cantabria Labs(スペイン) | ロート製薬(日本) | サンソリット(日本) |
| 主成分 | ファーンブロック | ファーンブロック | ニュートロックスサン |
| エビデンスの厚さ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 服用タイミング | 外出30分前に1カプセル(長時間は4時間後に追加) | 1日2粒を目安に服用 | 1日1粒を継続服用 |
| 価格目安(税込) | 30カプセル 約4,000〜8,000円 ※購入先により異なる |
60粒(約30日分)4,500〜5,800円前後 24粒(約12日分)2,500円前後 |
30粒(約30日分)5,000〜6,000円前後 |
| 入手しやすさ | 医療機関での購入が最も安心 (通販でも正規品あり) |
ドラッグストア・通販 | 医療機関・通販 |
| 国内製造 | ×(スペイン製) | ○(日本製造) | ○(日本製造) |
| こんな方に | 治療中・エビデンスを重視する方 | 初めて試す方・日本製を選びたい方 | 毎日の習慣として続けたい方 |
① ヘリオケア ウルトラD(Heliocare Ultra D)
スペイン・Cantabria Labs製|クリニックでの購入が最も安心
飲む日焼け止めのなかでもっとも長い歴史と研究実績を持つ製品です。2002年にスペインで発売されて以来、現在は世界80カ国以上で販売されています。
私自身もクリニックでこの製品を患者さんにご案内してきました。
主な成分
- ファーンブロック(Fernblock®):シダ植物由来の抗酸化抽出物
- ビタミンD・C・E:抗酸化・免疫サポート
- ルテイン・リコピン:カロテノイド系抗酸化成分
服用タイミング 外出30分前に1カプセル。長時間日光に当たる場合は4時間後に追加1カプセル(1日2カプセルまで)。
価格帯 購入先により幅があります。通販の国内正規品で4,000〜5,000円前後、クリニックでの販売は5,500〜8,000円前後が目安です(いずれも30カプセル・約1ヶ月分)。
医師の視点から 楽天・Amazon等の通販でも「国内正規品」として購入できますが、一方でネットには格安の並行輸入品も混在しています。内服するものである以上、出所の明確さは重要です。治療中の患者さんには、クリニックで直接購入していただくのが最善だと考えています。
▶︎通販では国内正規販売店が5,000円を下回る価格でも販売はしているようです。
② ロート製薬 ヘリオホワイト
日本・ロート製薬製|市販品(ドラッグストア・通販で入手可)
ヘリオケアと同じ「ファーンブロック」を主成分として採用し、ロート製薬が国内製造で発売した製品です。「オバジ」「ハダラボ」など皮膚・美容領域で実績のある国内大手の製品というのは、初めて飲む日焼け止めを試す方にとって安心感があります。
主な成分
- ファーンブロック(Fernblock®)240mg:ヘリオケアと同原料
- ハトムギエキス:肌の保湿・くすみケア
- ビタミンB2・B6:皮脂代謝・肌コンディションのサポート
服用タイミング 外出前に1日2粒を目安に服用。
価格帯 60粒(約30日分)で4,500〜5,800円前後、24粒(約12日分)で2,500円前後が目安です。購入先(ドラッグストア・通販・公式)により異なります。
医師の視点から 有効成分はヘリオケアと同じファーンブロックですが、配合量(240mg/日)やビタミン類の種類が異なります。日本の大手製薬メーカーによる国内製造という点で信頼性が高く、ドラッグストアでも入手できるアクセスのしやすさは大きな利点です。初めて飲む日焼け止めを試してみたいという方や、クリニックに通院していない方に特に向いていると思います。
③ ユーブロック(U・Vlock)サンソリット
日本・サンソリット製|医療機関・通販で入手可
ヘリオケア・ヘリオホワイトとは異なる有効成分「ニュートロックスサン(Nuxtroxsun)」を主軸にした製品です。サンソリットは皮膚科・美容皮膚科向けのスキンケア製品を多く展開している日本企業です。2023年4月にリニューアルされ、美容サポート成分が追加配合されています。
主な成分
- ニュートロックスサン(シトラス果実+ローズマリー葉エキス)250mg
- ビタミンC 80mg
- 糖花エキス・白キクラゲエキス・酵母エキス(リニューアル後に追加)
ニュートロックスサンとは スペインの大学とモンテローダ社が10年以上かけて共同開発した植物由来ポリフェノール原料で、シトラス由来のナリンゲニンとローズマリー由来のロズマリン酸・カルノシン酸などが主体です。フラボノイド系の抗酸化・抗炎症作用、コラーゲン分解酵素(MMP)の抑制、脂質過酸化反応の抑制などが研究で確認されています。
服用タイミング 1日1粒を継続服用。ファーンブロック系のように飲み直しが必要なく、毎日の習慣として取り入れやすい設計です。
価格帯 30粒(約30日分)で5,000〜6,000円前後が目安。
医師の視点から ファーンブロックとは別の成分体系を持ち、「毎日継続して飲む習慣型」のUVケアに向いています。1日1粒で完結するシンプルさは、忙しい方や飲み忘れが心配な方には便利です。ファーンブロック系との併用を検討される方もいますが、組み合わせの明確なエビデンスはまだ限られているため、まずはどちらか一方から始めることをおすすめしています。
安いものは大丈夫?価格と品質について
ネットで検索すると、3,000円を切るような製品も散見されます。
こうした価格帯の差はどこから来るのでしょうか。
主な要因は以下の通りです。
- 有効成分の配合量(ファーンブロック®の含有量は製品によって大きく異なります)
- 原料の品質・仕入れ先の違い
- 製造管理体制の差
- 正規品かどうか
内服するものである以上、私は価格よりも「誰が作っているか・どこで買えるか」を優先することをお伝えしています。
**クリニックでの購入が最も安心です。**正規ルートで管理された製品を処方・販売しているため、品質の担保という点で安心感が違います。
通販で購入する場合は、国内大手メーカーの製品(ロート製薬のヘリオホワイトなど)を選ぶか、公式ストアや信頼性の高い販売店を選ぶようにしてください。
飲む日焼け止めを使う際に知っておきたいこと
塗る日焼け止めとの併用が大前提
繰り返しになりますが、飲む日焼け止めはあくまで補助です。塗る日焼け止め(SPF30以上、PA+++以上)との併用を前提としてください。どちらか一方では不十分です。
妊娠中・授乳中の方は使用しない
どの製品も妊娠中・授乳中の方への安全性は確立されていません。使用を避けてください。
飲み始めてすぐ「完全に焼けない」わけではない
抗酸化系のサプリメント全般に言えることですが、体内で効果が安定するまでには継続的な摂取が有効です。単発の使用でも一定の効果は期待できますが、長期的な光老化予防の観点では継続が重要です。
レーザー・IPL治療後は特に注意を
光治療の後は肌のバリア機能が一時的に低下しています。内服だけに頼らず、外用の遮光・帽子・日傘を組み合わせた多層的な紫外線対策を心がけてください。
まとめ:どれを選べばいい?
迷ったときの参考にしてください。
クリニックで治療中の方・エビデンスを最重視する方 → ヘリオケア ウルトラD(クリニックで入手)
まず試してみたい・日本製が安心・ドラッグストアで手軽に買いたい方 → ロート製薬 ヘリオホワイト
毎日継続する習慣として取り入れたい・飲み直しの手間を省きたい方 → ユーブロック(サンソリット)
いずれも「内側からのUVケア」という考え方に基づいた製品です。塗る日焼け止めが主役であることを忘れずに、自分のライフスタイルに合った形で取り入れてみてください。
気になる点があれば、クリニックで気軽にご相談ください。
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飲む日焼け止めは、あくまで紫外線対策の補助です。毎日の基本となる塗る日焼け止めを見直したい方は、形成外科医が成分・使用感・コスパで比較した市販日焼け止めおすすめ5選も参考にしてください。

部活や通学で紫外線を浴びる時間が長い中高生は、幼児・小学生とは少し違った視点で日焼け止めを選ぶ必要があります。汗・皮脂・使用感まで含めた選び方は、中高生向けの日焼け止めの選び方・使い方ガイドで詳しく解説しています。

幼児から小学生の日焼け止めは、紫外線防御力だけでなく、肌へのやさしさ・落としやすさ・毎日使いやすい使用感も大切です。子どもに使いやすい製品を探している方は、幼児・小学生向けの子ども用日焼け止めおすすめ5選で詳しく紹介しています。
この記事は形成外科・美容医療に携わる医師(Dr.オーラ)が、臨床経験と医学的知見をもとに執筆しています。特定の製品の効果・効能を保証するものではありません。


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