男性の肌は、女性に比べて皮脂の分泌量がおよそ2倍といわれています。毎日の洗顔だけでは落としきれない毛穴の汚れや角栓が蓄積すると、テカリや黒ずみ、いちご鼻の原因になることがあります。
そこで役立つのが、週1〜2回のスペシャルケアとして取り入れる「フェイスパック」です。ただし、パックなら何でもよいわけではありません。男性の肌悩みに合った成分を選ぶことが、効果を実感するための第一歩です。
この記事では、形成外科医の視点から「フェイスパックで本当にできること・できないこと」を正直に解説し、男性におすすめの製品を目的別にご紹介します。
✍️ この記事を書いた人
Dr.オーラ
形成外科専門医(日本形成外科学会)|臨床経験15年以上
大学病院で形成外科・美容外科医として勤務。忙しい外来では話しきれないプラスアルファを、科学的根拠にもとづいて発信しています。
※本記事には、アフィリエイト広告・PR案件が含まれています。掲載商品・クリニックの選定にあたっては、成分の科学的妥当性や臨床的な根拠を重視しており、広告収益が内容の評価に影響することはありません。
フェイスパックで「皮脂を抑える」は本当か?
結論から言うと、フェイスパックで皮脂分泌そのものを直接コントロールすることはできません。
皮脂の分泌量は、皮脂腺という皮膚の奥にある組織がコントロールしています。外側から塗るパックが皮脂腺の働きに直接作用することは、現時点では医学的に確認されていません。
ただし、パックで「できること」は明確にあります。
- 余分な皮脂や汚れを吸着・除去する(クレイ系・炭系)
- 毛穴に詰まった角栓を溶かして除去しやすくする(BHA系)
- バリア機能を整え、乾燥による過剰な皮脂分泌を間接的に落ち着かせる(保湿系)
「皮脂を抑えるパック」という表現を目にすることがありますが、より正確には「皮脂バランスを整えるサポートをするパック」と理解するのが適切です。僕としても、この区別を患者さんにお伝えするようにしています。
「毛穴パックで毛穴が開く」は本当か?
鼻の毛穴パック(貼って剥がすタイプ)について、「使いすぎると毛穴が広がる」という話を聞いたことがある方も多いと思います。
医師の観点からは、毛穴パックで毛穴の径が物理的に拡大するとは考えにくいです。
毛穴の「開き」の主な原因は、皮脂の過剰分泌・加齢による皮膚の弾力低下・紫外線ダメージによるものです。パックで一時的に角栓を除去しても、毛穴そのものが広がるわけではありません。
ただし、使いすぎによって肌のうるおいまで奪ってしまうと、乾燥→防衛反応による過剰皮脂分泌→角栓の再詰まり、という悪循環が起きる可能性はあります。「毛穴が開く」というよりも、「サイクルが乱れる」という表現が正確です。
適切な頻度(週1〜2回)を守り、使用後にしっかり保湿する。これを習慣にすることで、毛穴パックは男性のスキンケアに有効なアイテムになります。
男性のフェイスパック、3つのタイプと選び方
| タイプ | 主な働き | 代表成分 | 向いている悩み |
|---|---|---|---|
| クレイ系 | 余分な皮脂・汚れを 物理的に吸着・除去 |
カオリン ベントナイト | テカリ・毛穴の黒ずみ・ 全体的なくすみ |
| BHA系 | 毛穴の内側に浸透し 角栓・古い角質を溶かす |
サリチル酸 | 小鼻の角栓・いちご鼻・ 毛穴の黒ずみ |
| 保湿・バリア系 | バリア機能を整えて 乾燥・肌荒れを防ぐ |
セラミド グリチルリチン酸 | パック後の乾燥・ ひげ剃り後の肌荒れ |
タイプ① クレイ系|皮脂・毛穴汚れをしっかり吸着したい
クレイ(泥)は、物理的な吸着作用によって毛穴の余分な皮脂や汚れを取り除きます。作用機序が明確で、皮脂量の多い男性の肌と特に相性がよいタイプです。
こんな方におすすめ: 皮脂・テカリが気になる、毛穴の黒ずみが目立つ、全体的にくすんでいると感じる
タイプ② BHA系|角栓・黒ずみをしっかりケアしたい
BHA(ベータヒドロキシ酸)の代表格であるサリチル酸は、脂溶性という性質を持ちます。これにより毛穴の内側まで浸透し、角栓の元となる古い角質を溶かすように働きます。いちご鼻や小鼻の黒ずみが気になる方に向いています。
こんな方におすすめ: 小鼻の角栓・黒ずみが気になる、角質が厚くなっている感じがする
タイプ③ 保湿・バリア系|乾燥・肌荒れ後のリペアをしたい
「男性の肌は皮脂が多いから保湿は不要」は誤解です。男性の肌は女性に比べて水分量が少ない傾向があり、洗顔後の乾燥が過剰な皮脂分泌を招くこともあります。クレイパックやBHAパックの使用後にセットで取り入れることで、肌のバランスが整いやすくなります。
こんな方におすすめ: パック後の乾燥が気になる、肌荒れしやすい、ひげ剃り後に肌が刺激を受けやすい
医師おすすめ|メンズにも使えるフェイスパック4選
| 製品 | タイプ | 主な成分 | 向いている人 | 使用頻度 |
|---|---|---|---|---|
|
NILE クレイパック 70g |
クレイ系 | カオリン ベントナイト サリチル酸 | 皮脂・テカリが 気になる方 |
週2〜3回 |
|
メンズビオレ 毛穴すっきりパック 黒 10枚 |
クレイ系(鼻専用) | 炭(吸着) | 小鼻の黒ずみが 気になる入門者 |
週1〜2回 |
|
The Ordinary Salicylic Acid 2% Masque 50ml |
BHA系 | サリチル酸2% カオリン 活性炭 | 角栓・黒ずみを 本格的にケアしたい方 |
週1〜2回(夜) |
|
キュレル 潤浸保湿 モイストリペアシートマスク 4枚 |
保湿・バリア系 | グリチルリチン酸ジカリウム セラミド機能成分 | パック後のリペア・ 肌荒れしやすい方 |
週1〜2回 |
【クレイ系①】NILE クレイパック 70g
価格: 約2,160円〜(Amazon・楽天)
おすすめポイント: メンズ向けスキンケアブランドNILEが開発したクレイパック。カオリン・ベントナイト・タナクラクレイ・モロッコ溶岩クレイの4種類の泥を配合し、毛穴の奥の皮脂汚れをしっかり吸着します。さらにグリコール酸・乳酸・サリチル酸のケミカルピーリング成分も配合されており、クレイの物理的吸着とピーリングの化学的角質ケアを同時に行える点が医師目線でも評価できます。
Amazonのピーリングカテゴリで1位を獲得しており、口コミ数も多く継続販売実績が確認できる安心感があります。
使い方: 洗顔後、乾いた肌に500円玉大を伸ばし15〜20分置いて洗い流す。週2〜3回のスペシャルケアとして。
注意: 使用後は乾燥しやすいため、化粧水・乳液での保湿が必須です。
【クレイ系②】メンズビオレ 毛穴すっきりパック 黒色タイプ 10枚
価格: 約467円〜(ドラッグストア・Amazon・楽天)
おすすめポイント: 花王の国民的ブランドが男性向けに展開する鼻専用の毛穴パック。貼って剥がすシートタイプで、小鼻に詰まった角栓をしっかり除去します。男性の肌サイズに合わせた大判シートで使いやすく、炭(皮脂吸着成分)を配合した黒色タイプがおすすめです。
ドラッグストアで手軽に買えるコスパ重視の入門製品として最適です。はじめてフェイスパックを取り入れる方に特に向いています。
使い方: 洗顔後、濡れた鼻に貼り10〜15分後に剥がす。週1〜2回。
注意: 使用頻度を守り、剥がした後は保湿を忘れずに。
【BHA系】The Ordinary Salicylic Acid 2% Masque 50ml
価格: 約3,360〜4,400円(楽天並行輸入ショップ・Amazon)
おすすめポイント: カナダ発のスキンケアブランド「The Ordinary(ジ・オーディナリー)」のBHAマスク。サリチル酸2%にカオリンクレイと活性炭を組み合わせた処方で、毛穴の角栓・黒ずみに直接アプローチします。
サリチル酸は脂溶性のピーリング成分で、皮脂に溶け込みながら毛穴の内側に届くのが特徴です。日本の市販コスメではこの濃度のサリチル酸製品がまだ少なく、成分の作用機序が明確でコスパも高い「掘り起こし候補」としてDr.オーラが注目している製品です。
日本では未発売のため、楽天の並行輸入ショップまたはAmazonでの購入になります。
使い方: 洗顔後の乾いた肌に塗布し、10分以内に洗い流す。週1〜2回、夜の使用を推奨。
注意: 敏感肌には刺激が強い場合があります。初回は少量・短時間から試してください。使用後は必ず日焼け止めを。レチノールや他のピーリング成分との併用は避けること。
【保湿系】キュレル 潤浸保湿 モイストリペアシートマスク 4枚
価格: 約1,280円〜(Amazon・楽天・ドラッグストア)
おすすめポイント: 花王キュレルが開発した医薬部外品のシートマスク。有効成分グリチルリチン酸ジカリウムが肌荒れを防ぎ、セラミド機能成分が肌のバリア機能をサポートします。無香料・無着色・アルコールフリーの低刺激設計で、ひげ剃り後の敏感になった肌にも使いやすいのが特徴です。
クレイパックやBHAマスクの使用後、肌がダメージを受けたと感じるときの「リペアケア」として組み合わせるのが特におすすめです。単体での保湿目的にも十分な性能があります。
使い方: 化粧水で肌を整えた後、10〜15分置いて剥がす。週1〜2回、または肌が荒れたと感じたタイミングで。
フェイスパックの正しい使い方・よくある失敗
フェイスパックの効果を最大限に引き出すために、以下のポイントを押さえておきましょう。
使う前に: 洗顔をしっかり行い、肌の汚れと余分な皮脂を落としておくことが大前提です。汚れが残った状態でパックをしても、成分が肌に届きにくくなります。
使用頻度を守る: クレイ系・BHA系のパックは、使いすぎると必要な皮脂や角質まで除去してしまい、かえって乾燥や肌荒れを招くことがあります。週1〜2回のスペシャルケアとして取り入れるのが基本です。
使った後の保湿が最重要: パック後は毛穴が一時的に開いた状態になっています。化粧水・乳液でしっかり保湿することで、次の汚れが詰まりにくい肌環境を整えられます。この一手間が習慣化の鍵です。
肌に異変を感じたら中止する: ピリピリ感や赤みが出た場合は使用を中止してください。特にBHA系は敏感肌への刺激が強い場合があります。
まとめ
フェイスパックは、男性の毛穴・皮脂・テカリケアに有効なスペシャルケアアイテムです。ただし「皮脂を直接抑えるパック」は存在せず、正しいタイプを選んで正しい頻度で使うことが大切です。
- 皮脂・毛穴汚れをしっかりケアしたい → クレイ系(NILE クレイパック)
- 小鼻の角栓・黒ずみをケアしたい → 鼻パック(メンズビオレ)+BHA系(The Ordinary)
- パック後のリペア・肌荒れ予防 → 保湿系(キュレル)
週1〜2回の習慣として取り入れ、毎日の洗顔では届かない深い汚れをケアしていきましょう。
参考文献
- Zouboulis CC, et al. Sebaceous gland: An element of the innate and adaptive immune system. Dermatoendocrinol. 2009;1(3):157-164.
- Cunliffe WJ, et al. Sebum secretion in males and females. Br J Dermatol. 1976;95(3):255-258.
- Draelos ZD. The biology of hair care. Dermatol Clin. 1991;9(1):19-27.
- Elias PM. Skin barrier function. Curr Allergy Asthma Rep. 2008;8(4):299-305.
- Fluhr JW, et al. Sebum content of the skin. Skin Pharmacol Physiol. 2004;17(5):219-226.

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