まず、セラミドについて一言だけ触れておきます。セラミドは肌の一番外側の層(角層)に存在する保湿成分で、水分を閉じ込めるバリア構造の主役です。年齢とともに減少し、乾燥・肌荒れ・小じわの原因になると考えられています。外から補うことで、バリア機能の低下を和らげる働きが期待できます。セラミドの基本についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。
セラミドケアというと、化粧水や乳液で補うのが当たり前のように感じているかもしれません。
そもそもセラミドは油に溶ける成分です。水性化粧水に配合するためには、メーカー側が特別な技術で安定させる工夫が必要になります。では逆に「最初からオイルに溶かして届ける」という設計はどうなのか——それがピュアセラ美容オイルの問いかけです。
この記事では、ピュアセラ美容オイルを形成外科医の目線で成分ごとに分解し、「評価できる点」と「評価を保留すべき点」を正直にお伝えします。良いところだけを並べるのではなく、他のセラミド商品と何が違うのかも含めて、フラットに整理します。
この記事のポイント
① ピュアセラはセラミドの「種類数」で勝負する商品ではなく、「オイル基剤×発酵由来の天然セラミド」という組み合わせの誠実さが本質です。
② マカダミアナッツ油・ホホバ油・アルガン油の組み合わせには、それぞれ皮膚科学的な根拠があります。
③ LP表記の一部(保湿力比較数値・和漢の機序)は、医師として断定できない表現が含まれます。正直にお伝えします。
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なぜ「オイルでセラミドを届ける」ことに意味があるのか
セラミドは、角層(肌の一番外側の層)の細胞間脂質として存在し、水分を保持するラメラ構造の主成分です。その化学的な性質は脂溶性、つまり油になじみやすい成分です。
一般的な化粧水は水が主体の製品です。そこに油溶性のセラミドを安定的に配合するためには、可溶化技術が必要になります。ヒフミド エッセンスローション(小林製薬)が独自の可溶化技術を採用しているのは、まさにこの理由からです。
ピュアセラのアプローチはこれとは逆で、「油を先に用意してそこにセラミドを溶かし込む」という発想です。セラミドが本来なじみやすい環境に置くという意味では、化学的に筋の通った設計といえます。「特殊な技術でムリに溶かす」のではなく、「そもそも相性の良い媒体を使う」ということです。
ただし、オイル剤型にも注意点があります。オイルは皮脂腺の少ない部位(目元・口元など)への使用には向いていますが、皮脂が多い部位や混合肌の方には重さを感じることもあります。「全顔にたっぷり」ではなく「乾きやすい部位にスポットで使う」のが、この剤型を活かす使い方です。
ピュアセラの成分を一つひとつ分解する
オイル① ホホバ油(ホホバシードオイル)
厳密には油ではなく液体ワックスです。人間の皮脂に含まれるワックスエステルと構造が似ており、肌なじみが良く安定性が高いのが特徴です。酸化しにくいため、敏感肌や目元への使用に向いています。化粧品の基剤として長年使われてきた実績があります。
評価:○ 基剤として信頼できる選択
オイル② アルガン油(アルガニアスピノサ核油)
モロッコ原産のアルガンツリーの実から搾る希少なオイルです。オレイン酸とリノール酸を主体とし、ビタミンEも豊富に含みます。エモリエント効果(肌を柔らかくする作用)が高く、乾燥による小じわが気になる目元・口元への使用に適しています。
評価:○ 乾燥ケアの基剤として妥当な選択
オイル③ マカダミアナッツ油(マカデミア種子油)
3種の中でもっとも医学的に語れる成分です。
① パルミトレイン酸(オメガ7脂肪酸)の含有量が、植物油の中でとくに高い。
② パルミトレイン酸は人の皮脂にも含まれる脂肪酸で、加齢とともに減少することが知られています。
マカダミア油は皮膚の脂肪酸組成に近く、浸透性が高くエモリエント効果をもたらすと報告されています(Hu W, et al. J Funct Foods. 2019)。また別の研究では、パルミトレイン酸の局所投与が抗炎症作用を介して皮膚の修復を助ける可能性が示されています(Biondo RG, et al. PMC 2018)。
「消えるオイル」という表現は少し大げさですが、「他の植物油より皮膚になじみやすい」という点は、根拠として支持できます。
評価:○ 3種の中で最も科学的根拠があり、目元・口元の乾燥ケアに理にかなった選択
セラミド:AP(セラミド6II)とNP(セラミド3)、発酵由来という点が個性
ピュアセラに配合されているのはセラミドAPとセラミドNPの2種類です。どちらも人の肌に存在するヒト型セラミドと同じ構造を持つ成分で、しかも醸造発酵粕から抽出された天然由来というのがこの商品の大きな個性です。
セラミドの「種類が多ければいい」と思われがちですが、素直に言うと一般の方にとってはそこまで重要ではありません。重要なのは「どんな由来で作られたセラミドか」「肌にとって異物になりにくい構造か」という点です。合成で作られたセラミドより、発酵という自然なプロセスを経た天然由来のセラミドが、より生体に近い構造を持つ可能性があるという考え方は、理屈として理解できます。
ただし濃度の公表はなく、配合量については確認できませんでした。「セラミドを高濃度で集中補充したい」というこだわりがあれば、別の選択肢も視野に入れてください。
評価:○ 天然発酵由来という由来の誠実さは評価できる。高濃度補充が目的なら別途検討を
→ 高機能セラミドを種類・濃度で選びたい方はこちら:定番セラミドでは物足りない方へ|医師が教える「本当に効く」セラミドの選び方と高機能商品4選
無添加処方:鉱物油・アルコール・着色料・パラベン・界面活性剤すべて不使用
目元・口元は皮膚が薄く、刺激に敏感な部位です。この処方設計は、スポット使いを想定した製品として理にかなっています。敏感肌や肌が揺らぎやすい時期にも使いやすい点は、素直に加点できます。
評価:○ 目元・口元へのスポット使いとして安心できる処方
和漢植物エキス12種(アシタバ・高麗人参・ハトムギほか)
「漢方薬の自然治癒力の理論をもとにセラミドの生産を養う」とLP上に記載があります。
この点については、医師として断定的には評価できません。アシタバ・高麗人参・ハトムギといった和漢植物が肌に対して何らかの働きをする可能性は否定しませんが、「これらの成分が皮膚内のセラミド生産を増やす」という機序は、現時点では化粧品の文脈で科学的に確立されていません。「保湿やコンディショニングに働く成分が複数入っている」という理解にとどめるのが、正直な評価です。
評価:保留 成分の配合は事実だが、セラミド生産増加の機序は断定できない
LPの一部表記について、正直にお伝えします
「天然ヒト型セラミドは植物セラミドの15倍・合成セラミドの3倍の保湿力」という記載があります。
根拠となる出典が明示されていないため、この記事では引用しません。セラミドの保湿効果を倍数で比較するには厳密な条件設定が必要で、一般論として断言できる数値ではありません。ただし「天然ヒト型セラミドは人の肌にある構造に近い」という基本的な考え方自体は正しく、その点は評価できます。
他のセラミド商品と、どう使い分けるか
ピュアセラは「水性ケアの補完」として位置づけるのが、もっとも合理的な使い方です。
| 目的 | 向いている商品 |
|---|---|
| セラミドを高濃度・多種類で集中補充したい | トゥヴェール セラミドミルク / ETVOS モイスチャライジングセラム |
| 化粧水ステップでセラミドを補いたい | ヒフミド エッセンスローション |
| 目元・口元など局所的な乾燥にオイルで対応したい | ピュアセラ美容オイル |
| 天然発酵由来のセラミドをオイルで届けたい | ピュアセラ美容オイル |
セラミドケアの基本から整理したい方には、こちらの記事も参考にしてください。 → 肌のバリア機能とセラミドの関係|なぜ春に肌荒れしやすいのかを医師が解説
どんな人に向いているか・向いていないか
向いている人
✔ 目元・口元の乾燥が繰り返す方
✔ 化粧水・乳液のあとにオイルを重ねるスキンケアが好きな方
✔ 天然・オーガニック由来の成分にこだわりたい方
✔ 「まずセラミドオイルを試してみたい」方
✔ 添加物が気になる敏感肥・ゆらぎ肥の方
慎重に検討したい人
▷ セラミドを高濃度・多種類で集中補充したい方(→ トゥヴェール等を検討)
▷ 皮脂が多い混合肌・脂性肌の方(オイルが重く感じることがある)
▷ アトピー性皮膚炎など皮膚疾患がある方(→ 皮膚科への受診を優先)
試す価値はあるか?——Dr.オーラの率直な評価
「550円で10日間お試し」という設計は、正直に言って良い仕組みだと思います。
オイル美容液は「合う・合わない」が使ってみないと分かりにくいカテゴリです。それを実質無料に近い価格で体験できるのは、商品への自信の表れともいえますし、読者にとってリスクが低い選択肢です。

3種のオーガニックオイルの選定と、発酵由来という天然セラミドの由来に、この商品の誠実さを感じます。「セラミドを何種類配合しているか」より、「どんな素材を、どんな方法で作っているか」——ピュアセラはそこを大事にしている印象です。目元・口元の乾燥が気になる方が、今のスキンケアに1本加える選択肢として、試してみる価値はあると思います。
まとめ
参考文献
Hu W, Fitzgerald M, Topp B, Alam M, O’Hare TJ. A review of biological functions, health benefits, and possible de novo biosynthetic pathway of palmitoleic acid in macadamia nuts. J Funct Foods. 2019;62:103520.
Biondo RG, et al. Topical anti-inflammatory activity of palmitoleic acid improves wound healing. Front Physiol. 2018;9:1286. PMC6181353.
Pasanphan W, et al. Macadamia Nuts Oil in Nanocream and Conventional Cream as Skin Anti-Aging: A Comparative Study. Molecules. 2020;25(4):847. PMC7048368.
Coderch L, López O, de la Maza A, Parra JL. Ceramides and skin function. Am J Clin Dermatol. 2003;4(2):107-29. PMID: 12553851.
Lynde CW, et al. The Effect of a Ceramide-Containing Product on Stratum Corneum Lipid Levels in Dry Legs. J Drugs Dermatol. 2020;19(4):372-376. PMID: 32272513.

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