ニキビで皮膚科を受診すると、外用薬(塗り薬)が処方されることがほとんどです。
しかし、「副作用が出たのでやめてしまった」「ニキビのある場所だけに塗っていた」「効かないと思って途中でやめた」——こうした声をよく耳にします。
処方された薬は、正しく使ってこそ効果を発揮します。この記事では、ニキビの外用薬を安心して使い続けるために知っておきたいことを解説します。

現在よく処方されるニキビの外用薬
ニキビの外用薬には、大きく分けて面皰(コメド)を改善・予防するものとアクネ菌に作用するものがあります。それぞれの特徴をおさえておきましょう。

どの薬を、どの組み合わせで使うかは、ニキビの状態(重症度・皮疹の種類)や体質によって医師が判断します。処方内容に疑問があれば、遠慮なく担当医に確認してください。
知っておきたい「正しい使い方」
「ニキビのある場所だけ」に塗るのは間違い
外用薬はニキビができている部分だけに塗る「スポット塗り」をしている方が多いのですが、これは推奨されていません。
ニキビは、目に見えていない段階(微小コメド〔びしょうコメド〕)からすでに毛穴の中で始まっています。ガイドラインでは、ニキビが出やすい部位全体(顔全体など)に薄く塗ることが推奨されています。
ただし、アダパレン(ディフェリンゲル)については添付文書上顔面のみの使用とされています。背中や胸への使用については担当医に確認してください。
使い始めは少量・狭い範囲から
刺激感が出やすい薬のため、最初からすべての部位に塗るのではなく、少量を狭い範囲に塗ることから始め、数日かけて徐々に塗る量と範囲を広げていく方法が勧められています。
使い始めに副作用が出ても、あわてないでください
ニキビの外用薬を使い始めると、多くの方に一時的な副作用が出ます。
副作用が出ても、使い続けることで多くの場合2週間ほどで落ち着いてきます。ただし、かゆみが強い・ジクジクした発赤が出る場合はアレルギー反応の可能性があるため、すぐに使用を中止して受診してください。
副作用が心配でやめてしまう方が多いのですが、塗る量を少し減らしたり、ノンコメドジェニックな保湿剤(コメドを引き起こしにくい保湿剤)を併用することで刺激を和らげながら続けることができます。副作用が気になる場合は、自己判断でやめる前にまず担当医に相談してください。
BPO(過酸化ベンゾイル)を使う方へ|漂白作用に注意
BPO(ベンゾイルパーオキシド:アクネ菌に殺菌的に作用する外用薬)を含む製剤(ベピオゲル・ベピオローション・デュアック配合ゲル・エピデュオゲルなど)には、漂白作用があります。
また、BPOを含む製剤は25℃以下での保存が必要です。夏場の車内や直射日光が当たる場所への放置に注意してください。
アダパレンを使う方へ|妊娠中の方は必ず申告を
アダパレン(ディフェリンゲル)は、妊婦または妊娠している可能性のある方には使用できません。処方前に必ず担当医に申告してください。
日焼け止めは毎日使ってください
外用薬を使用している間は、皮膚が光に対して敏感になりやすい状態です。日焼け止めを使わずに紫外線を浴びると、薬の副作用が強まったり、ニキビ跡の色素沈着(PIH〔炎症後色素沈着〕)が悪化したりする可能性があります。
**毎朝、外用薬を塗った後に日焼け止めを使うことを習慣にしてください。**日焼け止めの選び方については、スキンケア記事も参考にしてください。

「治ったらやめていい」は間違い|維持療法の大切さ
ニキビの外用薬治療には、急性炎症期(赤いニキビ・膿が活発な時期)と維持期(皮疹が落ち着いた後も再燃・瘢痕を予防する時期)の2段階があります。
ニキビが落ち着いてきたからといって自己判断で薬をやめてしまうと、また繰り返すことが多くあります。担当医から「やめていい」と言われるまでは、維持療法として薬を続けることが再燃予防とニキビ跡の予防につながります。
また、エピデュオゲルなどの配合剤には、長期使用によって萎縮性瘢痕(凹みのあるニキビ跡)を目立たなくする作用が示されており、維持療法として続けることの意義はとても大きいとされています。
まとめ
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参考文献
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン策定委員会:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023. 日皮会誌,133(3):407-450,2023.
- 井上紗惠:痤瘡〔アダパレン,過酸化ベンゾイル〕. 治療,106(7):809-813,2024.
- 都築美輝,林伸和:痤瘡治療薬. MB Derma,336:115-122,2023.
- 田坂麻佑子,村阪敏規:ディフェリンゲル vs ベピオゲル. 調剤と情報,31(5):80-87,2025.
- Dreno B, et al:Adapalene 0.1%/benzoyl peroxide 2.5% gel reduces the risk of atrophic scar formation in moderate inflammatory acne. J Eur Acad Dermatol Venereol,31:737-742,2017.
著者:Dr.オーラ(形成外科医・再建外科医) 参考ガイドライン:日本皮膚科学会ガイドライン2023


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